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| 2003/09/30掲載 |
| 【日本女子代表、W杯を終えて・・】 |
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FIFAランク14位の日本に対し、12位のカナダ。逆転負けはランク通りの結果と言えばそれまでだが、前後半それぞれ一回ずつ訪れたビッグチャンスを活かすことができていれば、グループCを突破していたのは日本だったかもしれない。
久し振りにW杯での勝利を味わった後、優勝候補の一角ドイツに力の差を見せ付けられた日本は、引き分けでも準々決勝進出が決まるという有利な条件で最終戦を迎えていた。<日本:3-6-1>
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大谷 |
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| 澤 |
小林 |
| 山本 |
宮本 |
酒井 |
川上 |
| 山岸 |
大部 |
磯崎 |
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山郷 |
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ドイツ戦で負傷退場した矢野に代わって磯崎がスタメンに復帰した以外は、不動のスタメンとフォーメーションでスタート。立ち上がりこそハイボールを多用したカナダの攻撃に押し込まれる時間が続いたが、先に決定機をつかんだのは日本。
前半20分、小林が右サイドで軽やかに敵をかわして右サイドを疾走。
深い位置からマイナスのボールを入れると、ゴール前ではエース澤が落ち着いた右足のフィニッシュで締めくくる。1-0、カウンターからの見事なサイドアタックで日本が先制した。
これで勢いづいた日本は、中盤の高い位置でボールを回せるようになり、徐々に攻め込む回数が増えていく。34分には、宮本のスルーパスから小林がDFの裏へと巧みに抜け出す。ペナルティエリアの外まで飛び出したGKをもかわしたが、左へ流れ過ぎたために得意の右足に持ち替え、無人のゴールにループショットを放つ。
だが、これはゴール右へ外してしまい、小林は両手で顔を覆った。
追加点を奪う絶好機を逸すると、神様はカナダにも平等にチャンスを与える。36分、ポストプレーからペナルティエリアの中に落とされたボールを山岸がブロックしながらGKに取らせようとしたが、激しく寄せてきたラーサムが足を伸ばして外側からコンタクト。ゴール前で3人がもつれ合う間に、ボールはゴールの中へ飛び込んでしまい、同点に追いつかれた。
タイスコアにされたものの、セットプレーからのチャンスも得て、日本の流れが途切れることもなく前半を終える。
そして、後半開始直後、クロスボールに飛び込んだラーサムにGK山郷が身体ごとゴールに押し込まれるが、これは当然ファウルの判定。
続いて右CK、左CKと立て続けにセットプレーを許した49分。宮本が背後から押される形で身体を折られてしまうと、その上を越えたボールにシンクレアがドンピシャのヘッドで合わせてカナダが逆転に成功する。
日本で最も長身の選手は、168センチの宮本。それに対してカナダには、シンクレアを始め180センチ前後の選手も多く、高さではどうにも歯が立たない状態であった。
ビハインドを負った日本は、小林を下げて荒川を投入し2トップに変更、更に酒井を柳田に代えて攻撃的な姿勢を強める。これが奏功し、スペースをうまく使ったサイドアタックを繰り返すようになると、フィジカル面でも強い荒川が相手のマークを引き付けてチャンスが生まれて来る。
すると65分、宮本が澤との壁パスで前線に進出し、DF裏へクロスを送ると、これに素早く反応した大谷がダイビングヘッドでカナダゴールを破って同点。会心のゴールに喜ぶ日本だったが、これはオフサイドを取られてしまい、ノーゴールとなる。
微妙な判定で同点弾を取り消されると、72分、左サイドに流れたラング
がDFのチェックに苦しみながらもクロスボールを蹴り込む。明らかにミスキックであったが、このボールはゴールに吸い込まれてしまい、1-3となる。
2点差をつけられ、失うもののなくなった日本はアウトサイドがウイングのような位置取りで最後の攻撃を仕掛ける。74分にはFKから大谷が右足のダイレクトでうまく合わせたが、GKの正面に。
ロスタイムには右から澤が入れたクロスに荒川が飛び込んだが、これもGKの攻守に阻まれ、ゴールを割ることが出来ず。
結局、アンラッキーな面も重なり、そのままタイムアップの笛を聞くことになった日本。目標としていたグループリーグ突破はならなかった。
ボール支配率は57%対43%と日本がリードしていたが、枠に飛んだシュート数では4対8と倍を許していた。パワーを全面に押し出したカナダのスタイルの前に、厳しい現実を突きつけられた結果となった。
とはいえ、外国のプレスも日本のスタイルには概ね好意的な様子で、この試合のプレイヤー・オブ・ザ・マッチにMF宮本ともみが選ばれたように、ワイドな展開を真骨頂とする組み立ては評価されていた。
山本の技巧は十分通用していたし、川上や大谷のスピードも決してレベルの低いものではなかった。澤はエースと呼ぶに相応しい活躍を見せたし、山郷も積極的な姿勢でゴールマウスに立ち続けた。
ただ、2列目の小林が精彩を欠き、Lリーグ2年連続MVPの酒井がコンビを組む宮本に比べてパワー不足を露呈した点は、誤算とも言えるのかもしれない。
しかし、身体のサイズを急激に変えることが出来ない以上、肉体的なパワーアップには限界がある。今後の日本が課題とすべきは、パスのスピードや距離を伸ばすことではないだろうか。ハイクロスへの対応も、中で競ることより、サイドからいかにして簡単に上げさせないかという部分を徹底していかなければ、世界とは戦えない。
十分な戦術理解のもとで厳しいプレスをかけ続ける体力がつき、組立ての中であと数メートル、パスのつながる距離が伸びて早い球回しを実現できれば、相手も簡単には付いて来れなくなる。
日本で行われることが決まっている来春のアテネ五輪予選では、更に厳しい戦いが待っている。今大会でグループリーグを突破した韓国と中国に、アジア最強の呼び声も高い北朝鮮を迎える戦いで、出場枠はわずかに2つ。
パワーとスピードを押し出したスタイルは、中国なども同じであり、それを封じ込めるには、個々のレベルアップが急務となるが、日本の女子サッカー界に大型の選手が流れて来ることはほとんどない。新たな戦力の発掘も間に合う段階ではないし、現在の代表メンバーが大幅に変わることもないだろう。
かつてのようにLリーグが世界のトップクラスの選手を抱えていた時代も過ぎ去り、プロ選手もほとんどいなくなった今、環境は非常に厳しい状態。
日本サッカー協会も、自前のビルや記念館の開設に大金を投じるなら、女子サッカーにも投資できないのだろうか。折角、女子サッカーに1万の観衆が集まり、民放で生中継する時代が到来したというのに、肝心の統括団体がバックアップする姿勢が強くは感じられない。
野田や高倉、大竹姉妹などがプロ契約していた時代には、サッカー雑誌にも女子サッカーを取り上げるスペースがあったが、今ではLリーグの試合結果さえ無視される始末。まるで出場機会のない川口や戸田についての記事は、毎週のように目にするというのに、女子サッカーに関するものは専門誌でもなおざりにされたままとなっている。
Jリーグを基礎に日本代表が一大ブランドとなったのは、明白なこと。
それならば、女子サッカーを盛り上げるためにも、まずは協会やメディア
がファンの注目を引く方策を講じる必要があるのではないか。今の追い風を文字通り風化させてしまっては、余りに寂しいものだろう。
グループC 第3戦 9月27日(土) 15:30キックオフ
マサチューセッツ州フォックスボロ、ジレット・スタジアム
日本 1(1-1/0-2)3 カナダ
得点者:日本−澤(20分)
カナダ−ラーサム(36分)、シンクレア(49分)、ラング(72分)
| 日本代表出場メンバー |
| GK |
山郷(さいたま) |
| DF |
磯崎(田崎)、大部(YKK)、山岸(伊賀) |
| MF |
山本(田崎)、酒井(日テレ)、宮本(伊賀)、川上(田崎)、
澤(アトランタ)、小林(日テレ) |
| FW |
大谷(田崎) |
| 交代: |
小林→荒川(日テレ)、酒井→柳田(田崎)、
山本→宮間(岡山湯郷) |
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著者:らいてぃー
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