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| 2004/03/03掲載 |
| 【ミドルスブラ】 |
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先週末に行われたイングランド・リーグ・カップ決勝戦。地味な対決とも揶揄された決戦を制したのは、クラブ創設128年目にして初のタイトル獲得となったミドルスブラだった。
試合開始わずか2分。ミドルスブラは、カメルーン代表のFWジョブが先制弾を挙げると、続く7分には、オランダ代表のMFゼンデンがPKを沈めて追加点。早い時間帯に2点のリードを奪ったボロ(ミドルスブラの愛称)は、ボルトンの反撃をデイビースの1点に抑え、悲願のトロフィーを掲げることに成功した。
イングランド北東部に位置するミドルスブラ。創設されたのは、1876年。
クリケット・クラブのメンバーが、サッカーチームを結成したことに始まる。
また、1885年にチームのOBによってミドルスブラ・アイロノポリスというプロクラブが誕生するが、これは1シーズンだけで解散。その後、1889年にミドルスブラ・アイロノポリスの残党がミドルスブラへ合流し、プロ化を図ったものの、1892年にはアマチュアへと逆戻りする。
当時のボロは、1895年、1898年とFAアマチュアカップに2度優勝。
アマの強豪として名を馳せていた。このため、1977年にウィンブルドンが昇格して来るまでは、FAアマチュアカップを制した経験を持つ唯一のクラブとしても知られる存在であった。
だが、1899年に再びプロ化してフットボール・リーグに加盟すると、3年で1部リーグへの昇格を果たす。そのボロが話題を集めたのが、1905年にサンダーランドからイングランド代表のCFアルフ・コモンを£1,000で獲得したこと。これは史上初となる4桁の額であり、急激な移籍金の高騰を怖れたリーグ機構側は、この移籍を契機に移籍金の上限を£350に設定した。
また、2部で暮らしていた1926-27年シーズンには、ジョージ・ケイムセルが年間59ゴールという新記録を作ったことも、特筆すべき事柄として挙げておく必要がある。翌シーズンには、エバートンのウイリアム・ディキシー・ディーンが60ゴールを挙げたことと、2部での記録であったことから、過小評価されがちだが、1シーズンに9度のハットトリックを記録した偉業は、未だに破られていない。
その後は、20年ほどトップリーグの地位を保っていたが、1950年代より下降線を描き始め、1966年には初の3部降格という憂き目に遭う。
そんな苦境から脱却したのは、イングランド代表やリーズ・Uで活躍したジャック・チャールトン監督が就任してから。すぐに力を回復させたボロは、ジャック1年目の1973-74年シーズンに2部で優勝。20年ぶりに1部への復帰を決めた。
とはいえ、トップフライトもそれ程長くは続かず、1982年に2部へ落ちると、1986年には税金も払えずにほぼ破産状態となってしまい、再び3部まで陥落。3部での開幕戦ではホームスタジアム、アライサムパークの使用を差し止められたため、ハートルプールのスタジアムを間借りさせられるという屈辱も味わった。
そこで悲惨な窮状を救ったのが、地元出身の資産家スティーブ・ギブソン。借金を肩代わりし、チームを建て直すために多額の投資を行なった。
これで息を吹き返したボロは、1990年代に入ると、更に大きな飛躍を見せるようになる。転機となったのは、1994年。マンチェスター・Uやイングランド代表で活躍した闘将ブライアン・ロブソンを選手兼監督として迎え入れたことに始まる。
1995年、ロブソンによって変革されたボロは、ディビジョン1をワンシーズンでクリアしてプレミアリーグ昇格を決める。更にジュニーニョ、ブランコというブラジル代表コンビを獲得して戦力を整えると、翌シーズンは12位でプレミアリーグ残留を決めた。
しかし、1996-97年シーズンに入ると、それまで攻撃の核となってきたニック・バームビーをクラブ史上最高額で放出したことや、相手に研究されたことも手伝って、序盤から低迷が続く。新加入のイタリア代表FWラバネリが、一人気を吐いてゴールを量産したものの、結局、2シーズンの在籍だけでディビジョン1へ戻ってしまう。
それでも、このシーズンは、ボロにとって歴史的なものになった。
というのも、FAカップ、リーグ・カップともに決勝進出を果たすという快挙を成し遂げ、プロクラブとしての初タイトルまであと一歩と迫った。
FAカップではチェルシーに、リーグ・カップではレスターに敗れてしまい、
戴冠はならなかったが、確実に力が付いて来たことを証明した。
翌1998年もリーグ・カップで決勝へ駒を進めたが、前年のFAカップと同じく、チェルシーの軍門に下った。しかしながら、1シーズンでのプレミア復帰を決めたボロは、再びチームを作り直して来た。
少数ながらも常にビッグネームを獲得し、ベテランや外国人をうまくミックスさせようという姿勢を見せるボロ。近年も、ガスコインやツィーゲ、インスにカランブー、ジェレミと各国代表クラスの選手を揃え、サポーターの目を楽しませることは忘れなかった。
そんな中でもボロの代名詞と言えば、誰を差し置いてもジュニーニョの名が挙げられよう。1995年に初めてイングランドへ降り立った小柄なMFは、現在が通算3度目の在籍。2度に渡ってチームを離れ、アトレチコ・マドリッドやヴァスコ・ダ・ガマなどで活躍していた時も、サポーターはその都度ジュニーニョの復帰を熱望した。昨季は、W杯後の怪我で不本意なシーズンを送ったが、ついに大きな功績を記すこととなった。
現在の監督は、マンチェスター・Uでファーガソン監督の腹心として働いていたスティーブ・マクラーレン。ベナブルス&ロブソン体制を経た2001年から監督に就任し、3年目で大きな花を咲かせた。
最終ラインの数人を除けば、レギュラー陣に英国籍を持つ者も少なく、他のクラブに負けないほどの多国籍軍団となっている現チーム。
オランダ、ブラジル、フランス、カメルーン、スロバキア、オーストラリアと、出身国も多岐に渡っている。
今季はオフの間に大きな補強もなく、怪我の多いボクシッチを放出したことさえ懸念されていたが、レンタルで次々に実力者を揃えた。
ラツィオよりスペイン代表のMFメンディエタを借りて来たのを手始めに、リーズからはイングランド代表の右SBダニー・ミルズ。大型大量補強のチェルシーからもオランダ代表MFゼンデンを譲り受け、駒の充実を図った。
特に、中盤は豪華な陣容で、名前を聞いただけでも楽しみな選手が目白押し。先月は、サンパウロからブラジル代表のリカルジーニョも加入。
また、唯一セルタから完全に移籍で獲得したのが、ブラジル人MFドリバ。そして、サンパウロ時代に世界一にもなっているボランチと中盤の守備を担当するのは、オランダ代表のボーテンク。
トップに入るのは、ジョゼフ・デジール・ジョブと昨季のチーム得点王で、チーム最高額を費やしたイタリア人FWマッカローネ。それにスロバキア代表のネメトやクリスティー、リケッツといったあたり。
DFラインではサウスゲイト、エヒオグといったベテランとリゴット、クーパーといった若手が踏ん張りを見せ、最後の砦を引き締めるのは、チームの浮き沈みを長く見守って来たオーストラリア人GKマーク・シュウォーツァー。選手の入れ替わりが激しい今、恐らく、プレミアリーグの中で最も長く同一チームでポジションを確保している選手の一人であろう。
決して層が厚い訳ではないが、要所に著名な実力者を配置。
継続的な強化と少しの補強が可能となれば、もっと上を目指せるはず。
ホームスタジアムは、35,049万人収容のセルネット・リバーサイド。1995年に移転するまでは、1903年から92年に渡り、アライサムパークを使用していたが、そこに落ち着くまでは4つのグラウンドを転々としていた。
来日は、過去に一度。1980年の第3回ジャパンカップに参加し、スペインのエスパニョールをPK戦の末に破って優勝している。大宮サッカー場では日本代表と対戦し、2-1で勝利。当時のメンバーには、1月までUAEの監督を務めていたロイ・ホジソンの名もあった。また、翌1981年8月には、欧州遠征を敢行した日本代表と再び対戦。ホームのアライサム・パークで、スコアレスドローという結果を残している。
トップリーグでの最高成績は、1914年の3位。今季もそれ程振るわないが、来季は初めて欧州の舞台へ挑戦することが決まったボロ。
カップ・ウイナーとして、新たな時代を切り開くスタートラインに立ったばかりとも言えるのではないだろうか。
カーリング・カップ決勝戦
2004年2月29日
ミレニアム・スタジアム 観衆72,634人
ミドルスブラ 2(2-1/0-0)0 ボルトン
得点者:ミドルスブラ−ジョブ(2分)ゼンデン(7分、PK)
ボルトン−デイビース(21分)
警告:ボーティング(23分、反スポーツ的行為)フランセン(23分、反スポーツ的行為)
イバン・カンポ(39分、反スポーツ的行為)チャールトン(90分、反スポーツ的行為)
リケッツ(90分、遅延行為)
<ミドルスブラ>
GK シュウォーツァー、
DF
ミルズ、サウスゲイト、エヒオグ、キュードル
MF
メンディエタ、ボーテンク、ドリバ、ゼンデン、ジュニーニョ
FW ジョブ(65分リケッツ)
サブ:リゴット、マッカローネ、ダウニング、ジョーンズ
<ボルトン>
GKヤースケライネン
DF ハント(87分ジャンナコプロス)、トーメ、ヌゴッティ、チャールトン
MF フランセン(63分ペデルセン)、イバン・カンポ、オコチャ、ジョルカエフ
FW ノーラン(78分ハビ・モレノ)、デイビース
サブ:プール、バーネス
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ボロ、カーリング・カップ優勝への軌跡
2回戦 ミドルスブラ 1-0 ブライトン
3回戦 ウィガン 1-2 ミドルスブラ
4回戦 ミドルスブラ 0-0(PK5-4)
エバートン
準々決勝 トッテナム 1-1(PK4-5)
ミドルスブラ
準決勝 アーセナル 0-1
ミドルスブラ、ミドルスブラ 2-1
アーセナル |
著者:らいてぃー
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