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2004/06/25掲載
ベネズエラのサッカー
 
五輪代表のアテネ五輪に向けた壮行試合。最後の相手となることが決まったのは、南米のベネズエラ。

 面積は日本の2.5倍ほど。人口は2500万超で、その内5分の1は首都カラカス近郊に集中している。1830年、19世紀初頭にスペインから独立した大コロンビア共和国から分離独立の道を選び、ベネズエラ共和国として成立。1958年から民主国家の形態をとるようになった。

 1980年代までは南米大陸の中で最も裕福な国の一つであったが、近年は金融危機等の影響で、貧民層の増加が問題となっている。

 大統領制の下、一院制の議会を持ち、二大政党制も確立されており、政治的には安定した国家となっている。

 とはいえ、現在のチャベス大統領は、92年に軍事クーデターを企てた首謀者で、近年では大規模な反政府運動の動きも聞こえて来る。
 OPEC(石油輸出国機構の)の一員で、輸出の7割以上を占める原油が急速な経済発展を促してきたが、石油や鉱物などの豊富な天然資源は、超大国アメリカの関心を引き、多大な影響下に入ることとなった。

 文化的にもアメリカの影響は色濃く、南米サッカー連盟に加盟する10ヶ国の中で唯一、サッカーがナンバー1スポーツではない国となっている。
 西武のカブレラ、巨人のペタジーニなど日本にも多くのベネズエラ人選手が来ている野球が、ベネズエラでは、最も愛されているのだ。

 そんな国でサッカーの芽生えが見えたのは、1921年。首都カラカスで地域リーグが発足し、後に全国的なアマチュア・リーグへと広がって行く。

 サッカー協会が出来たのは1926年で、1938年には中米・カリブ海連盟の創設メンバーとなっている。1952年になると、FIFAと南米サッカー連盟へ同時に加わり、1960年代からはW杯予選やコパ・アメリカにも参加するようになる。

 しかしながら、サッカーが国民的スポーツではない国の悲しさか、常に南米最弱のレッテルは剥がすことは出来ず。
 コパ・アメリカでもグループ・リーグを突破した経験さえ持たない。

 当然ながら、どの年代においてもFIFA主催の世界大会への出場を果たしたことはなく、いつ、どこの大会でも最下位が指定席となって来た。
 唯一の国際タイトルは、1982年の中米・カリブ海大会での優勝。
この時ばかりは、えんじのユニフォームが歓喜に酔いしれた。

 また、1999年に日本がコパ・アメリカに参加した際、1分2敗という成績だったにも関わらず、「ベネズエラよりは強い」と評された。これが、どれほど低い評価だったのかは、推して量れよう。

 プロリーグの発足は、1956年。すでに半世紀近い歴史を持つが、その実力は、やはりクラブレベルでも高くはない。
 南米王座を決めるリベルタドーレス杯。1998年からメキシコのクラブにも門扉が開かれると、ベネズエラのクラブは、1次リーグに進むための予備戦をメキシコのチームと争うことを強いられている。

 過去、ベネズエラから3チームがリベルタドーレス杯の準決勝まで駒を進めているが、いまだ決勝進出を果たしたクラブはない。

 1977年はポルツゲーザ、1983年にはディポルティボ・サン・クリストバン、そして翌1984年にもウニベルシダ・デ・ロス・アンデスが南米ベスト4まで躍進。この80年代前後が、最も上位国との差を詰めた時期と言えるだろう。

 なお、ディポルティボ・サン・クリストバン、ウニベルシダ・デ・ロス・アンデスの2チームは、それぞれアトレチコ・サン・クリストバンとアトレチコ・スリアに名前を変えており、アトレチコ・スリアはメリダからマラカイボへ本拠も移転している。

 現在の最強クラブは、リベルタドーレス杯の常連となったFCカラカス。
1967年創設で、90年代以降は安定した強さを発揮。
 これに同市内のライバル、UAマラカイボやカラボボ、トゥルヒヤノスといった辺りが、良い成績を収めて続いている。

 国内のサッカーシーズンは9月から7月。リーグは2ステージ制を採っており、地域によって分割された前期リーグを経た上で、それぞれの上位チームが改めて後期に全国リーグを行なう。

 上位リーグは現在10チームで行われ、前述のチームの他には、ミネロス、ディポルティボ・タチラ、モナガスらも常連。
 一方、80年代に栄華を誇ったチームは、いずれも凋落の傾向にある。

 過去に輩出した最も有名な選手となると、93年のコパ・アメリカ、エクアドル大会で4ゴールで得点王に輝いたストライカー、ドルベッタが挙げられよう。

 但し、代表選手のレベルであっても、ブラジルやアルゼンチンなどの大国から声がかかる選手は皆無に近く、ペルーやボリビアでプレーした選手がいる程度で、ほとんどは国内を出ることがない。

 だが、2002年のW杯予選で旋風を巻き起こしたのがエクアドルなら、現在のドイツW杯予選で台風の目となっているのは、ベネズエラ。

 すでにコロンビアとウルグアイをアウェーで撃破し、ここ4戦は負けなし。
第7節を終えて3勝3敗1分。首位ブラジルとも勝点差は、わずか3の6位につけている。FIFAランキングも50位まで上がり、国内の期待も大いに高まっていると言う。

 日本が対戦するのは、もちろんベネズエラのA代表。五輪へ向けての力試しには、格好の相手となることは間違いないが、7月にはペルーでのコパ・アメリカを戦うチーム。どれほどのモチベーションを持って来日するのかを考えれば、それ程大きな壁とはならないだろうし、疲労が残っていることも確実。きっちりと勝利を収めてアテネへと旅立ってもらいたい。

著者:らいてぃー 

 
 
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