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| 2004/07/14掲載 |
| 【澤穂希復帰(ベレーザ対伊賀)】 |
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多くの人々に女子サッカーの存在を知らしめ、多大なインパクトを与えた北朝鮮戦から2ヶ月以上。今季は、各地で行われているLリーグの観客動員も軒並み上昇。女子サッカーに対する注目度、認知度が飛躍的に高まっている印象を改めて感じさせる。8チームで争われるLリーグは、全14節。すでに3分の1にあたる5試合が消化された。
先週末の第5節、最も注目を集めたのは、何と言っても西が丘で行われた日テレベレーザ対伊賀FCくノ一戦。右膝半月板損傷のため、アテネ行きを決めた五輪予選の直後に内視鏡手術を行なった、なでしこジャパンのエース澤穂希が、待望の実戦復帰を果たしたのだ。
前節、アウェーの駒場でさいたまレイナスと引き分けたベレーザは、首位をひた走るTASAKIに引き離されないためにも絶対に落とせない一戦。澤の復帰で勢いを付けたいところだった。
対する伊賀は、ここまで2勝2敗と予想外に苦しい序盤。
その上、前節の宝塚戦でGK小林が右膝後十字靭帯損傷の重症を負い、GKがチームに2人しかいない伊賀は、サブGK抜きでの戦いを強いられることとなった。
| <日テレ・ベレーザ:スタメン> |
| 永里 |
荒川 |
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荒川 |
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| 小林 |
酒井 |
近賀 |
| 豊田 |
須藤 |
四方 |
中地 |
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小野寺 |
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| <伊賀FCくノ一・ベレーザ:スタメン> |
| 村岡 |
原 |
| 堤 |
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井坂 |
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宮本 |
那須 |
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| 宮崎 |
山岸 |
馬場 |
藤村 |
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瀬口 |
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スタメンはどちらも4-4-2。但し、日テレの中盤はダイヤモンド型で、サイドのMFが頻繁にポジションを入れ替えて的を絞らせない。
一方、伊賀の中盤は、これまでの3-5-2を捨てて代表のボランチ宮本を
軸にしたボックス型の中盤を形成。ポスト役となる原を残し、ルーキー村岡も中盤に引き気味となるシフトを敷く。
序盤からペースを握ったのは、ベレーザ。圧倒的な寄せの早さを見せて次々とボールを奪取。巧みな個人技で対面の相手をかわしては、次へと楽につなげていた。伊賀はベレーザのアプローチに対して完全に後手となり、ボールにさえ触われない時間帯が続く。
ベレーザは、荒川のしっかりとしたポストワークに、大野の果敢な仕掛けが上手く絡みあい、近賀や小林も非常に高い位置でプレーする。
荒川の突破から酒井が初シュートを放てば、両サイドバックも積極的に
スペースへの侵入を試みて相手陣内だけで試合を運ぶ。
伊賀は、井坂が左からのクロスに合わせてようやくフィニッシュまで持ち込むが、逆に21分、左に流れていたベレーザの近賀が遠目から思い切ったシュートを放ち、ネットを揺する。1-0、ベレーザが先手を取る。
これで反撃の意識が強まった伊賀は、30分を過ぎた頃から攻勢に転じる回数を増やして行くが、どうもパスのつながりが悪い。元ベレーザのCF原にくさびのボールが入らず、司令塔宮本のロングパスも簡単にカットされる。代表のDF宮崎が見せるヘッドの強さは際立つし、元代表のDF藤村が前に出る姿勢は伺えたものの、チームとしてのリズムは失われたまま。
須藤、四方で組まれたベレーザのセンターバックは、的確な判断で早めに危ない芽を摘む他、前線の高いキープ力が相手の気勢を削ぐ。
近賀や大野は鋭いフェイントで敵を翻弄し、複数の敵を打ち破る。
そして、何より光っていたのは、2001、02年と連続でリーグMVPに輝いているボランチ酒井。豊富な運動量はもちろん、素早く的確に味方へ繋げる能力は正に絶品。抜群の危機察知能力も備え、数多くのインターセプトで敵の攻撃を瞬時に消し去っていた。
小雨のパラつく中、ベレーザがリードして前半を折り返す。
ハーフタイム、ピッチに現れたベレーザの10番に多くの視線が集まる。
ピッチの周囲に4台。メインスタンドにも2台のTVカメラ。その全てが澤を追い、スチールカメラマンもこぞって被写体を一人に絞る。
クイーン澤登場への期待が高まる中、後半が始まる。
1点を追う伊賀。初めてゴールマウスをとらえるシュートを見せるが、これは弱過ぎてベレーザGK小野寺が難なくキャッチ。
スペースへ簡単に縦パスを出すようになったことで、つながりは改善。
伊賀の攻撃に連動性が生まれて来る。
とはいえ、ベレーザも荒川の安定したプレーが、周囲の高い技術を前を向いた状態で引き出し、大野の力強い突破や永里の飛び出しを導き出す。
56分、左サイドバック豊田のクロス。ゴール正面でこぼれて来たボールに荒川がすかさず足を振り抜くと、これがゴール右に突き刺さり、2-0。
ベレーザが後半の早い時間で追加点を挙げる。
リードが広がったことで、伊賀は次の対策を要求される。
江川監督はCB馬場と左MF堤を下げて、MF吉泉とFW小野を投入。
3バックに変更する。小野をトップに入れて原をトップ下へ。
慣れ親しんだ形にして、中盤と前線の距離が開いていた部分を解消しようとする。
だが、伊賀のそんな思惑も交代直後の67分には、無となってしまう。
西が丘にいた全ての人が待ち望んだ澤が、ピッチサイドに登場。
高校生FW永里と、日本唯一のプロ選手が交代する。
大野がFWに上がり、澤はトップ下へ。すると、ピッチに立ってからわずか4分後。右サイド、長い距離を駆け上がった近賀の折り返しに、澤はトラップが乱れた中で倒れ込みながらもフィニッシュ。実に6年ぶり、自身通算90点目となるゴールをあっけなく決めてしまった。
エース自らの祝砲。一斉にチームメイトが駆け寄り、スタンドはこの日一番の歓声に沸いた。
安全圏と言われる3点目。伊賀はボランチ那須を下げて中川を送り出すが、もう大勢に影響することはない。徐々に調子を上げて来た宮本が、群を抜く距離のロングパスを通して感嘆の声を誘う以外は、これといった決定機も作れず。吉泉のクロスからオーバーヘッドを見せた場面や、原がDFラインの裏を突いた際にも小野寺の好守が大きな壁となり、ベレーザのリズムは崩れることはなかった。
終盤、大野の素晴らしい個人技が中央を蹴破り、フリーの中地が締めくくろうとしたが、スコアは変わらず。1月の全日本選手権準決勝と同じ3-0で、ベレーザが快勝した。
この日、首位TASAKIがホームでさいたまに負けたため、ベレーザは首位浮上。逆に伊賀は再び黒星が先行し、YKKと高槻に抜かれて6位へと後退した。
しかしながら、代表の上田監督も観戦に訪れたこの試合。試合内容よりも注目されたのは、やはり澤の状態。代えの効かない絶対的エースの活躍なしには五輪でのメダル獲得が厳しいものとなるだけに、順調な回復ぶりを観て安心したのは、関係者もファンも同じ思いであったはず。
体格面では上回る代表での僚友宮本から、腰の低いタックルでスマートにボールを奪うなど、フィジカル面でも落ちている気配はなかった。
90分を通しての体力や試合勘といったものは、1ヶ月あればかなり戻るであろうし、何より精神的支柱となれる選手が帰って来たことは頼もしい。
今年は2月から休みなく動き続けて来たなでしこジャパン。
月曜日から行われていた静岡合宿では、選手に疲れの色も見えたよう
だが、五輪本番のスウェーデン戦は、ひと月後に迫っている。
ベストの布陣、最高の体調でアテネに行くこと出来るのか。
目の前では、ベレーザの代表MF小林弥が接触プレーで痛んで退いた。
中断前に2節を残すLリーグで、怪我人が出ないことを祈るばかりだ。
2000年7月11日(日)
西が丘サッカー場 曇時々雨 観衆1,000人
日テレ・ベレーザ 3(1-0/2-0)0 伊賀FCくノ一
得点者:近賀(21分)荒川(56分)澤(71分)
警告:荒川(79分)
日テレ・ベレーザ
GK 小野寺
DF
中地、四方、須藤、豊田(宇津木)
MF
近賀、酒井、小林弥(井関)、大野
FW 荒川、永里(澤)
伊賀FCくノ一
GK 瀬口
DF 藤村、馬場(吉泉)、山岸、宮崎
MF
井坂、那須(中川)、宮本、堤(小野)
FW 原、村岡
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著者:らいてぃー
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