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| 2004/07/15掲載 |
| 【アジアカップの歴史】 |
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今週末の17日。中国の各都市を会場に第13回アジアカップが開幕する。ディフェンディング・チャンピオンの日本は、予選免除。今大会では、初の連覇とサウジアラビア、イランに続く3度目のタイトル奪取を目指す。
1956年、香港で第1回大会が開催されたアジアカップは、優勝した韓国やイスラエル、そしてホストの香港に南ベトナムを加えた4ヶ国でスタート。当初は韓国とイスラエルの強さが際立ち、1968年までの4大会は全てこの2ヶ国が3位までに入っていた。
その流れを塞き止めたのが、1968年大会から唯一の3連覇を成し遂げているイラン。ピルジィのGKナセル・ヘジャジを軸とする堅い守りは、アジアでは揺るぎ無いもので、FWハッサン・ロウシャンの鋭いアタックも、十分世界に通用するものであった。
長くイランの覇権を築き、1978年のW杯初出場につなげている。
一方、アジアで安定した力を発揮していたイスラエルは、1973年の第4次中東戦争を契機に周辺のアラブ諸国との関係が悪化。
1970年代からはアジアサッカー連盟を離れてオセアニアや欧州へと所属を変えたことから、有力なライバルが一つ減ることとなった。
1980年代に入ると、豊富な石油資源をバックに強化に力を入れて来た中東勢の台頭が目立つ。破壊的な右足を持つクウェートのFWファイサル・アル・ダヒルは、初優勝を遂げた1980年大会で鮮烈な印象を残し、2年後のスペインW杯でも活躍。アジアカップでも、3大会連続で上位進出を果たす原動力となった。
そして、アジアの新たな盟主となったのが、サウジアラビア。
1984年の第8回大会から、これまで5大会連続で決勝に進出。
アジアカップでは、最も安定した成績を残している国となっている。
1984年には、砂漠のぺレと呼ばれたCFマジェド・アブドラーを軸にした攻撃陣が爆発し、初の戴冠。以後もFWオワイランや、MFアルムワリード、MFアミン、GKアルディアイエなどハイレベルな選手を次々と生み出してアジアの強豪の座を不動のものとしている。
過去5回連続で決勝進出を果たしているサウジアラビアだが、優勝は3回。負けた2回は、いずれも日本に敗れている。かつての日本は、アジアカップに目を向けることはなかった。第8回大会までは予選に参加したのも2度だけで、あとはエントリーさえしていない。1988年のカタール大会では、学生を中心としたB代表が予選を勝ち抜き、そのままB代表を本大会に送り込んだ。
初めて日本のA代表が本大会に姿を見せたのは、広島で行なわれた1992年のこと。カズ、ラモス、井原、柱谷を軸としたオフト・ジャパンが、飛躍的な成長を見せて頂点まで昇りつめた感動を覚えている人も多いことだろう。
<アジアカップ歴代優勝国>
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優勝 |
準優勝 |
3位 |
日本の成績 |
| 1956年 |
韓国 |
イスラエル |
香港 |
不参加 |
| 1960年 |
韓国 |
イスラエル |
台湾 |
不参加 |
| 1964年 |
イスラエル |
インド |
韓国 |
不参加 |
| 1968年 |
イラン |
ビルマ |
イスラエル |
予選敗退 |
| 1972年
|
イラン |
韓国 |
タイ |
不参加 |
| 1976年 |
イラン |
クウェート |
中国 |
予選敗退 |
| 1980年 |
クウェート |
韓国 |
イラン |
不参加 |
| 1984年
|
サウジアラビア |
中国 |
クウェート |
不参加 |
| 1988年 |
サウジアラビア |
韓国 |
イラン |
A組5位 |
| 1992年 |
日本 |
サウジアラビア |
中国 |
優勝 |
| 1996年 |
サウジアラビア |
UAE |
イラン |
ベスト8 |
| 2000年 |
日本 |
サウジアラビア |
韓国 |
優勝 |
仏W杯予選を間近に控えた1996年大会では、ロングボールでDFラインを下げて来るクウェートに苦杯を舐めた日本。長身FWアル・フーウェディの2発に沈み、守備組織の再構築を迫られることとなった。
記憶に新しい2000年大会は、42ヶ国が予選に参加。本大会はレバノン
で行われ日本が2度目の栄冠に輝いた。
優勝候補の筆頭と思われたイランは、前回のMVPアジジが不調でレギュラーから外れ、アリ・ダエイにもかつての迫力が消え失せていた。
新たにミナバンド、マハダビキアが主軸となっていたものの、チーム全体が明らかな準備不足。急激に増えた海外組との融合に失敗した感は、否めなかった。
ミラクルワーカー、ボラ・ミルティノビッチ氏を監督に迎え入れた中国は、フランクフルトでプレーする揚晨やファン・ジィーイなど、海外でプレーする選手と国内の才能ある若手をうまくミックスさせて準決勝まで進出。
日本をあと一歩のところまで追いつめた。
この大会、スイーパーシステムの3バックのチームが多数を占め、中国、レバノンだけが4-4-2を採用。時代遅れとの評が飛び交う中、その本家とも言える韓国で素晴らしい活躍を見せたのが盧廷潤。多くのポジションをこなし、チームの心臓となって働いた。
期待の若手、李東国が6ゴールを挙げて得点王となったが、チームは準々決勝でサウジアラビアに撃沈されている。
緒戦で日本に大敗したサウジアラビアは、すぐさまミラン・マチャラ監督を更迭し、アル・ジョハル監督に交代。
これが奏功し、チームはあっという間に立ち直って行く。
アル・テミヤートとアル・メシャルを軸とした中盤がしっかりとキープし、鋭いカウンターを浴びせて敵をしとめる。もともと個人技に長けた選手は多かっただけに、決勝トーナメントに入ったチームは、自信を取り戻して完全に別の姿を見せていた。
そして、数多くの批判を浴びていたフラット3の戦術を花開かせたのが
トルシエ・ジャパン。中田英は参加しなかったが、ヴェネツィアで経験を積んで来た名波が大黒柱として奮闘。左アウトサイドに入った中村とのポジションチェンジから自在にゲームをコントロールし、自らもゴール前に迫っていた。
西沢もエースの貫禄を示す活躍を見せ、5ゴールを記録。高原や小野も初めてフル代表で迎えた大きな大会を楽しむかのように、元気な姿を見せた。直前にシドニー五輪を戦った稲本、中村、松田、明神、高原、森岡など若い力が、改めてその能力を知らしめた大会となった。
大会MVPには、安定して傑出したプレーを披露していた名波が選出。
シドニーで采配面からトルシエに吹いた逆風も、大きな結果を残したことで沈静化して行った。
そして間近に迫った今年の大会。日本は、オマーン、タイ、イランという決して楽ではない組に入った。
W杯予選でも苦しんだオマーンの手の内は判っているとはいえ、中立地での戦いは、また異なるはず。タイもピーター・ウィズ監督就任以降、安定した戦いができるようになっており、日韓W杯予選では最終予選まで進んでいる。重慶の暑さにもそれほど苦しむことはないだろうし、ロベルト・カルバーリョ監督がモデル・チェンジしたチームは、昨年のアジア・チャンピオンズリーグで準優勝したテロ・サーサナを軸にしたまとまりあるもの。決して侮ることは出来ない。
また、最大の敵となるイランは、キャリミやマハダビキアといった選手がピークを迎え、スピード感溢れる攻撃陣を形成。今も健在のバゲリやアリ・ダエイに加え、高い肉体的資質を持つ若手が台頭してくれば、久し振りの優勝も狙えるであろう。
また、アジアカップの主役ともいえるサウジアラビアは、アル・メシャルや
アル・シャフーブなどの中盤に多くタレントを抱えるが、FWアル・ジャバー、GKアル・ディアイエといった攻守の核となるベテランが抜けた穴をどうやって埋めるのかが焦点。
アフリカ系移民の子が多く、黒人特有の柔軟な身体を武器とする選手もいるだけに、普段は体験しないリズムや長いリーチに早く慣れることが日本にとってもサウジアラビア攻略の鍵となるだろう。
柳沢の離脱を許したことで、FW登録の選手が3人となった日本。
西が前線で起用されることもあろうが、鈴木と玉田のファーストチョイスには、大きなプレッシャーがかかる大会となる。
中田英、高原、稲本、久保など多くの主力を欠いた状態。
しかしながら、日本の選手層から見れば決して優勝を狙えない布陣ではないはず。中村や三浦の飛び道具に加え、中澤のようなセットプレーでの的をうまく使えば、前線に負担が掛かることも少なくなるはず。
連戦となることで、小笠原や藤田など国際舞台での活躍が少ない選手にとっても大きなチャンスが転がっているであろうし、優勝を「ノルマ」と認識しているジーコ監督が、どのような采配を見せてくれるのかも楽しみの一つ。
日本のメディアは、どうしても五輪にばかり目が行くようだが、各国のフル代表が集うアジア・カップは、来年の独W杯最終予選に向けて大きな
意味を持つ。多くの情報が流れている日本に対し、敵はどのような戦いをして来るのか。アジアのレベルを知り、各国の戦力、戦術的な流れを把握するためにも重要な大会。日本だけではなく、他国の試合にも注意を払いたい。
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著者:らいてぃー
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