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2004/08/02掲載
アテネへの課題
 
本日、アテネ直前合宿の地、ドイツへと旅立った五輪代表。
明日からはオーバーエイジ枠で招集された小野も合流し、チームとしての完成形を探ることとなる。

先週末、国立競技場で男女揃って行われたアテネ五輪壮行試合では、
双方とも大差で勝利。これ以上ないほどに気持ちの良い姿を、サポーターのまぶたに焼き付けていった。

交代出場した選手も含めてFW陣が揃い踏み。決定力不足を言われることが多かったU23代表は、久方ぶりに平山もネットを揺らして期待に応えた。大久保は鋭さを感じさせる動きで前線の先導役となり、高松、田中も自分の持ち味を出したゴールでスタンドを沸かせた。

しかし、相手となったベネズエラは、独W杯予選で台風の目となっているチームではなかった。先週まで行われていたコパ・アメリカに出場した選手もわずかな編成で、明らかに二線級の布陣であったことを忘れてはならない。

突発的に集められたチームが、長時間の移動を強いられて来日。
高いモチーベションも、組織もほとんど感じられず。2点目を許した後は、所謂「切れた」状態となっていた。

個々にみれば、高い能力を垣間見せる選手もいたが、常に南米最弱の枕詞がついていたベネズエラ。それも二軍クラス。Jリーグでも助っ人となれるような選手は、見当たらなかった。

中盤で精力的にボールを奪い、早めの展開でゴールへ迫った日本。
山本監督は登録選手を次々と投入し、様々な形を試していた。
右に石川。駒野が左へ回り、森崎が中に入った終盤は、フレッシュな2トップが一層縦へのスピードを早めて追加点を奪って行ったが、大差が
つくまでに見えた課題も決して少なくはなかった。

4ゴールという数字に隠れてしまったものの、前半のうちに2点目を奪う
機会も多かったはず。平山のドンピシャのヘッドは、GKの正面。松井もフィニッシュ可能な位置から外に流れて、シュートチャンスを失っていた。

一瞬の判断ミスや決定機を逃すことが勝負を分ける大きなポイントとなる五輪本番。ゴールへの集中力と冷静さは、より高いレベルで求められる。それを考えれば、決まったゴールに喜ぶのと同じくらいに、決められなかったゴールに対する反省も必要となる。

何より、このチームは未完成。指揮官が絶対的な存在として小野を扱うことが確実な以上、その効果がチームにプラスをもたらすことが必要最低条件となる。

ベネズエラ相手に勢いを見せたU23代表にあって、足りないもの。
それは、チーム結成当初から言われていたコンダクター。

縦に速い攻撃を仕掛けていた際の日本は、良い流れでゴール近くまで
迫っていたが、相手に勢いを止められると、途端に手詰まりになる場面も多かった。縦に縦にと目が向く中、前線で各人の距離が開き過ぎたり、サポートの体制が不備なままに苦しい場所へ落としてしまう回数も少なくなかった。

縦に急ぎ過ぎる余り、後ろがバランスを崩してカウンターの餌食になっていたのは、オーストラリアや韓国との試合でもみられたこと。

速さのバランスをコントロールし、リズムを能動的に変えられる存在。
それが長く不在であったことは間違い無い。
だからこそ、山本監督は抜群の技量と戦術眼を備えた小野を最後のワンピースに選んだはず。遅攻と速攻の使い分け。ワンサイドに偏った展開を後ろに戻すことなく、入れ替える。小野が入ることで、チーム全体が攻守両面でのスキルを上げることが出来るのではないだろうか。

但し、開幕までに残された時間は、ごく僅か。小野が周囲の特性を知るだけでなく、チームの一人一人が小野のスタイルを理解し、即応できるようにならないと、望んでいた化学反応も起きてこない。

高次元にある小野のレベルと吸収性の高いチームであることから、本番までに馴染むことを楽観視したいところだが、余りにも時間は少ない。ピッチ内外での密なコミニュケーションと練習での高い集中力が、厳しいグループを突破するための最後の宿題となる。

また、男子より1日早く機上の人となった、なでしこジャパン。壮行試合では、昨年のW杯で敗れたカナダに見事な雪辱を果たしたが、トップ下の澤、左MFの山本、そして左SBを予定されている矢野と計3名が怪我のために欠場。万全の状態で締めくくることは出来なかった。

とはいえ、エース大谷が2ゴール。澤の代役としてトップ下を任された安藤も切れのある姿を見せて、チームとしての完成度が非常に高いことを認識させてくれた。

ピッチに立つ選手は、上田監督が就任してからほとんど変わっていない。今年から4バック、3ボランチという形にシフトさせたものの、メンバー構成はほぼ同じ。下小鶴、丸山、安藤らの選手が大きく伸びていることを考えれば、底上げも図られてきた。

左膝の手術から復帰してそれほど経っていない澤のコンディションは気になるし、プレスキッカーでもある山本の存在は非常に大きい。
カナダ戦では、小林が素晴らしい働きを見せて山本の不在を補ったが、昨年まで左アウトサイドで起用されていた山本が外れるとなると、試合中のフォーメーション変更にも支障を来たしてしまう。

7日に予定されているオランダとのテストマッチでも、怪我人には決して
無理をして欲しくない。今年はアメリカとアウェーで引き分け、カナダにも勝利して更なる進化を遂げている、なでしこたち。男子よりも1日早い緒戦。歓喜の瞬間を目にすることが出来るだろうか。

著者:らいてぃー 

 
 
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