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| 2004/08/03掲載 |
| 【アジア・カップ雑感】 |
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欧州、南米に続いて始まったアジアの大陸王者を巡る戦いも、残すは
4試合のみ。
日本はヨルダンに崖っ淵まで追いつめられながらも、大会連覇、そして
サウジアラビアとイランに並ぶ3度目の戴冠へと望みをつないだ。
ヨルダン戦では神懸かりとも思える川口の活躍が目を引いたが、大会
序盤は、独りでチームを牽引する中村の奮闘も素晴らしいものであった。
中澤の強さも際立っていたし、宮本のキャプテンシーは反日感情の強い
重慶で少しもぶれることなく、日本への流れを呼び込んだ。
だが、ここまで大会の流れを振り返ると、世界各地で起こっている
レベルの画一化が、アジアでも進んでいることを改めて知ることとなった。
何よりの驚きは、過去5大会連続で決勝進出、今回も優勝候補の一角と
目されていたサウジアラビアがグループリーグで消えたこと。
日韓W杯でドイツに大敗したことを受け、チームの若返りが至上命題と
されて来たサウジアラビアであったが、世代交代がうまく進んでいないこと
を白日の下にさらしてしまった。
本大会に初めて駒を進めたヨルダンに、進境著しいバーレーンが
かつてのクウェートやUAEに代わってアラビア半島の勢力図を塗り替え、
ウズベキスタンも1996年の広島アジア大会以来となる復活の兆しを見せた。
とはいえ、レベルを上げて来た国が増えたことがアジア全体の底上げに
なっているのかと言えば、そうでもない。
悪いピッチ・コンディションや蒸し暑い気候などの要因もあろうが、
試合の内容自体は大雑把なものも多く、相変わらずアジアが遅れた地域
に属することは明白だろう。
高い位置でのプレスから手数をかけずにゴールへ迫るスタイルを見せる
チームが多い今大会。サイドのスペースを突く攻撃を繰り返す一方で、
足元につなげるパスとの使い分けが曖昧な国も多かった。
また、個人レベルでも傑出したタレントはそれ程見当たらず、中村の技巧
が飛び抜けている感さえする。
しかしながら、その中でも特筆すべき選手を抱えるのがイラン。
その筆頭に立つのが、MFアリ・キャリミである。
抜群の個人技に高い決定力。今やアリ・ダエイに代わるイラン不動の
エースと言える存在。
タイ戦では4人をゴボウ抜きしてのアシストでスタンドを沸かし、先の
韓国戦ではハットトリックの大活躍。
それ程上背がある訳でもないが、ヘッドにも強さを見せ、フィニッシュの
ポイントを探る動きにも秀逸なものがある。
トップに残るアリ・ダエイとサイドに流れるマハダビキア。この2人を自在に
操り、3人だけでの攻撃も可能とさせるだけのキープ力と戦術眼を備える。
狭いスペースを通すパスセンスにも長けており、持って良し、出して良し
という典型的な司令塔。
クロアチア人のイバンチェビッチ監督は、アリ・キャリミにかなり自由な
裁量権を与えており、中盤から前線にかけてのフリーマンとなっている。
サイドに流れて起点を作ったかと思えば、遅攻の際にはボランチのライン
まで下がり、カウンターを仕掛けるとゴール前に飛び込んで来る。
今大会のMVP候補筆頭と言って間違い無いだろうし、現在プレーする
UAEのアル・アリから欧州へ羽ばたく可能性も高いのではないか。
また、自由な動きを見せるアリ・キャリミに対して地味ながらも貢献度の
高いのが、ボランチのジャバド・ネクナム。
球離れが良く、広い視野でテンポ良く味方につなぎイランの支配率を
高める原動力となっている。
頑強なタイプとは言えないだろうが、肉体的な強さも兼備えており、
競り合いの中でもすっと足を出してボールをさらって行く。
ロングパスの精度が高く、攻撃の起点となる回数も非常に多い。
無理をせず簡単にプレーすることで守備陣の負担も減らしており、
ポスト・バゲリとして十二分な働きを見せている。
そして、もう一人言及しなければならない選手が、10代の右サイドバック、
ホセイン・キャエビ。
小柄ながらも、驚異的なスピードを誇り、イランの大きな武器として
すでに欠かせない存在となっている。
深さよりもタイミングで勝負する切り返しと、小刻みにアウトサイドを使う
フェイントを駆使して右サイドを我がものに。
すでにフィジカル面での強さも備え、並んで来る敵に対しても、低く腰を
入れて爆発的なスピードで置き去りにする。
まだ国内のフーラドでプレーしているが、他国からのオファーが殺到する
ことは確実であろう。
日本戦からは3バックに変更。3-4-2-1とも取れる変則的な布陣へと
変えているイランは、再び決勝で日本と対戦することを望んでいるとも言う。
準決勝で豊富なタレントがホスト国を蹴散らし、28年ぶりとなるタイトル
奪取へと弾みをつけるのだろうか。
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著者:らいてぃー
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