| |
| 2004/12/11掲載 |
| 【ドイツへの楽観論】 |
| |
ドイツへ向けた最終関門。一昨日、アジア地区最終予選のドローが
発表され、メディアは一様に「厳しい組み分け」だとして危機感を煽って
いるが、それは本当だろうか。
ホスト国として予選を免除された前回大会は別として、これまでで最も
本大会へ進む確率が高い環境にあることは、疑いの無い事実。
同組に振り分けられた国々が悲観的になるのならまだしも、韓国と共に
第一シードとなった日本が必要以上に怖れることはない。
今回のドローは、日韓をシードした上で、FIFAのランキングを元に上位
チームからシード順を決めて割り振った形。
最新のランキングで韓国より上にいるイランが同居したのは、確かに
大きな壁となろうが、「現在アジアでベストチームの日本と同組となり不運。
日本は最大の脅威だ。」とイランの協会事務局次長が語っていたように、
組分けに落胆したいのは、日本のいる組に入った他国の方であろう。
最終予選に進んだ8チームの一次予選での成績を振り返ると、以下の
通り。(一次予選のグループ順)
イラン 5勝0分1敗 22得点4失点 15ポイント
ウズベキスタン 5勝1分0敗 16得点3失点 16ポイント
日本 6勝0分0敗 16得点1失点 18ポイント
クウェート 5勝0分1敗 15得点2失点 15ポイント
北朝鮮 3勝2分1敗 11得点 5失点 11ポイント
バーレーン 4勝2分0敗 15得点4失点 14 ポイント
韓国 4勝2分0敗 9得点2失点 14ポイント
サウジアラビア 6勝0分0敗 14得点1失点 18ポイント
こうして見ると、一次予選の6試合を全勝で通過したのは、日本の他に
サウジアラビアのみ。
イランはヨルダンとの熾烈な首位争いを演じた上、カタールにも足元を
救われそうな試合があった。
もう一方の第一シード国である韓国にしても、モルジブと引き分けるなど
日本以上に多くの非難が渦巻く内容。得点力不足も顕著となり、結果的に
8チームの中で唯一2桁得点を記録出来なかった。
アジアカップでも優勝し、一次予選でも最低限の結果を出し続けた日本。
どこの国にとっても、韓国より日本の組へ入る方が嫌な思いがあったの
ではないだろうか。
2002年に韓国が躍進したのは、審判の判定も含めたホームアドバンテージ
によるものという見方が多い中、ワールドユースや五輪でも安定した結果を
出している日本に対する評価は、国内で感じている以上に高いもの。
中田英や高原を欠いたままでもアジアの王座を譲らなかった底力は、
羨望の的でもある。
3番手と見られるバーレーンでも、日本が1位で抜けることを仮定して
イランとの2位争いになるという予測が立てられている。
日本がW杯を真剣に目指すようになってから、まだ10年。
その中でアジアから世界へ通じる道は、毎回のように広げられて来た。
1993年、アメリカへの切符は2枚だけであった。サウジアラビア、韓国、
イラン、イラク、北朝鮮との1回戦総当たりのリーグ戦で上位2チーム
だけがつかめた新大陸への上陸券。
日本は最後の最後で、手にしていたプラチナチケットを手放した。
1997年は、そのチケットが3.5枚に増えていた。
韓国、UAE、ウズベキスタン、カザフスタンとのリーグ戦では、韓国に独走
を許し、一時は自力で這い上がるルートさえ見えなくなった。
それでも、増えた1.5枠の中に日本とイランが仲良く滑り込み、アジアから
初めて4カ国が本大会へと駒を進めている。
アジアの枠は日韓両国がホストとなった2002年にも4枠が維持され、
更に今回、0.5の上積みがなされた。
4チーム中2位以内に入れば出場権を確保出来る上、3位になっても
プレーオフによるチャンスが残る。
10チームを2つに分け、トップ通過の国だけが無条件で本大会へ進めた
フランスの予選と比べても、その間口の広さは語るまでもない。
バーレーンは確かに心境著しいチーム。アテネ五輪代表は最終予選で
一度も勝てなかったし、アジアカップでの活躍も記憶に新しい。
それでも、シリアとタジキスタンにはアウェーで引き分けたように、格下の
チームに敵地で勝ち切る強さは持たなかった。
北朝鮮に至っては、完全なるアウトサイダー。一次予選で3勝しかして
おらず、積み上げた勝点11も残った8ヶ国の中では最低の数字。
W杯出場経験を持つUAEに競り勝って来た訳ではなく、UAEが自滅した
だけの話である。
北朝鮮は、UAEとの2試合で勝ってはおらず、代わりにUAEがイエメンや
タイに取りこぼした結果の1位通過。
90年代の英雄FWアドナン・アルタルヤニやGKムフシン・ムサバハーと
いったW杯イタリア大会へ導いた選手たちが長く君臨したUAEは、次の
世代が小粒なままで、96年に地元で行われたアジアカップ(準優勝)を
最後に、中東諸国内でも地盤沈下を起こしている状態にあった。
23歳以上の選手が2人しかおらず、国際経験にも乏しい北朝鮮が
日本を脅かす存在になるというのは幾らなんでも買い被り過ぎであろう。
現実的にライバルとなりうるのは、今年のアジアMVPとなったアリ・カリミ
やハシュミアンらの豊富なタレントを擁するイラン。
そして、A・フバイルというエースを抱えるバーレーンがどこまで日本と
イランに食い下がるのかという見方が常識となる。
但し、今回の対戦順は中東勢に有利な側面がある。重要な位置付けと
なるであろう6月に組まれた連戦において、日本と北朝鮮は東西に移動
することになるが、バーレーンは隣国イランへの移動しかなく、イランは
2試合ともホームで戦える。
中5日の試合間隔となる際に東西を長く移動する負担を考えれば、
第4節、第5節の開催地は大きな意味を持って来るかもしれない。
とはいえ、日本の目標は既にW杯出場ではなく、W杯本大会での成績を
更にワンランク上げること。
欧州、南米のシード国と混ざった中でのグループリーグ突破は、ホスト国
として恵まれた組み分けが約束されていた2002年より、確実に難しいもの
となるはず。
そうした条件を見据えた上でJFAは、2006年のベスト8進出を目標に
掲げているのであり、予選で消えるなど許されるものではない。
2000年のシドニー五輪でベスト8、1999年のワールドユースでは準優勝と
いう大きな成果を挙げた世代にとっても、年齢的なピークを迎える成熟期。
意外なほど順調にドイツ行きを決める可能性も、高いのではないか。
個々の試合を見れば、楽な戦いはないだろう。
しかし、日本にJリーグが出来てから、アジアの国で韓国以外に日本を
公式戦で倒した経験を持つ国はどれだけあるのか。
1993年のイランと1996年のクウェート。わずか2カ国だけしか日本に
対する勝利の記憶を持たず、21世紀になってからはアジアカップを連覇
しているため、中東勢には親善試合を含めて無敗を誇っている。
確かに、オマーンやヨルダンのように食い下がって来た国もあるが、
いずれも勝利という結果は手にしていない。
日本が相手となるとき、その壁は我々が考えているものより遥かに
大きく厚いものと感じられるはず。
相手を尊重する戦いも良いだろう。何が起こるか分からない中で慎重に
なるのも当然。
だが、メンチを切るように敵を威嚇して黙らせてしまう戦いも見てみたい。
日本の歴史と経験が、新たな段階に突入したことを示す内容の最終予選
となってもおかしくはないだろう。
|
著者:らいてぃー
|
|
 |
| |
| |
メールマガジンの
ご購読(無料)は
こちらから <enter> |
| |
|
|
|
 |
|
|