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2005/01/07掲載
【高校選手権ベスト4決定】
 
多くのチームが雪の中でスタートした第83回高校選手権も、残すところ 3試合。今大会は大きな波乱もほとんどなく、強豪校が順当にベスト4へと 駒を進めた。

昨年の平山(筑波大)、増嶋(FC東京)、カレン(磐田)らのように超高級と 呼ばれる選手が少なく、タレントが小粒な分、レベルの低下が懸念されたが、 国見の渡辺千や星稜の本田、鵬翔の興梠といった注目度の高い選手たち が前評判通りの高いパフォーマンスを見せて大会を盛り上げて来た。

優勝への最短距離にいるのは、やはり5年連続の決勝進出と、2度目の 連覇を狙う国見。FW渡辺千とMF城後を軸とした力強いスタイルは今年も 変わらず、緒戦でMF横田が骨折した痛みもさほど感じさせない。 しかしながら、藤枝東とは80分で決着を着けられず、PK戦に。 準々決勝でも盛岡商業に1点差まで詰め寄られて、足元がふらつく場面が 少なくなかった。前半で3点差をつけておきながら、後半開始早々に盛岡商 のエース福士にゴールを割られると、次第に平常心を失い、何本ものパスを 自在につながれてペースを奪われる。 3バックの外に出たボールを先に触られると、途端にDFラインが崩れて しまう傾向は、弱点となる可能性も高い。

この国見に挑むのは、2年連続の国立進出を果たした鹿児島実業。 ここ6年で4度目のベスト4となり、国見に次ぐ安定した成績を誇っている。 プリンスリーグでは、国見を抑えてトップ通過。全日本ユースでもベスト4に 入っており、完成度の高さは松沢総監督も太鼓判を押すほど。 エスパルス入りの決まっているCB岩下を軸とした守りのチームという評も あったが、CF山下の爆発が攻守にバランスの取れた状態を生んでいる。 全体で高い位置からの守備が実践されており、攻守の切り替えも実に 早い。ゴールに向かう場面でも統一された意識を感じる他、セットプレーに おける強さも持ち合わせており、天敵とも言われる国見が相手と言えども、 手の内を知るだけに臆することもないだろう。

一方、反対側のブロックは、緒戦で強敵を下して勢いに乗った感のある 2チームの対戦となった。 星稜は2大会連続でベスト4に進んでいた滝川二と壮絶な点の取り合いを 制して、石川県勢として初の国立に辿り着いた。 絶対的な司令塔MF本田が靭帯を痛めた状態にあり、本来ならばドクター ストップがかかるほどであるようだが、格の違いを感じさせるプレーを披露して チームを牽引している。 両サイドで起点を作り、長短のクロスボールを使い分けた攻撃は、多くの 相手を混乱させ、後ろからの押し上げも力強い。 出村、大畑の2年生ボランチコンビが身体を張って前線に託す姿は、 良い意味での役割分担が確立されている印象を受ける。

2年ぶりの王座奪還を狙う市立船橋は、千葉県予選でも準決勝、決勝戦と スコアレスのままPK戦にもつれ込むという苦しい戦いを経て全国大会に。 その上、2回戦での東福岡戦でもPK戦に突入。予選から3試合連続で 勝ち切れない試合が続いた。とはいえ、薄氷を踏みながらも状態は上り調子。 アントラーズに進む興梠を擁する鵬翔との準々決勝では、大会前に懸念 された得点力不足を払拭するかのように得点を重ねて3-0の快勝。 190センチの長身FW榎本を起用したことで前線のポイントが明確化して、 持ち前の勝負強さが前線でも発揮されるようになっていた。

渡辺広を軸とした伝統の堅いディフェンスは今年も健在であり、押される 時間帯が来ても落ち着いた対処を見せる。 MF壽や左サイドバックの薬袋など高い戦術眼を持つ選手たちが数多くの チャンスを演出できれば、自然とゴールも近くなるはず。

国立の舞台を踏む4チームは、全国大会の常連ゆえに現チームでも 幾度か対戦している間柄。 インターハイでは、国見と市立船橋が決勝で激突。国見が延長Vゴール の末にライバルを振り切って連覇を達成した。また、3回戦で市立船橋は、 鹿児島実業とも対戦。1-0で競り勝ってトーナメント表に残ることとなった。

だが、逆に全日本ユースでは鹿児島実業が市立船橋を3-2で破っており、 国見と同組で戦った星稜は、エース本田のハットトリックで国見に3-0と 完勝しているなど、4チームの実力差は紙一重に近いもの。

各チームとも快勝する試合があった一方で、苦しい試合も乗り越えて来た。 絶対的な軸となる選手がおり、攻守のバランスも甲乙つけ難い。 国見が戦後最多7度目の王座に就くのか、鹿児島実業が初の単独王者と なるのか。それとも、2年ぶり5度目の戴冠を目指す市立船橋か、初優勝を 夢見る星稜が満願成就となるのだろうか。 例年にも増して予想の立てにくい優勝旗の行方は、神のみぞ知るところ なのであろう。

著者:らいてぃー 

 
 
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