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2005/03/17掲載
【オセアニア・サッカー連盟消滅へ】
 
オーストラリアがアジア・サッカー連盟(AFC)へ移る意思を示していたオセアニアに、更なる激震が走った。

当初はオーストラリアに対し、翻意を促していたニュージーランドが、オーストラリアに追随してアジアサッカー連盟へ転籍する方針を固め、2007年までにAFC加盟を実現させたいと発表。屋台骨となっていた2大国を失う可能性が強まったオセアニア・サッカー連盟(OFC)は、存亡の危機に立たされることとなった。

そもそも、オーストラリアがAFCへ移ることを希望したのは、代表チームの強化や商業面でもオセアニアにいるよりメリットが大きいという観点から。そして何より、1974年以来となるW杯出場を現実のものとするためには、出場枠の広がったアジアに籍を置く方が近道であるという打算があったのではないかと推測できる。

すでにオーストラリア協会は、転籍の承認を求めてFIFAに申請書を提出しており、ニュージランドがこれに続くのは確定的。この2ヶ国がアジアに鞍替えすることで、OFCの存在意義は極めて低くなるため、同時に一つの大陸連盟が統合される方向で推移して行くことは、想像に難くない。

OFCの創設は、各大陸連盟の中で最も新しい1966年。現在12ヶ国が加盟しており、財政規模も他とは比べ物にならない程に小さい。

オセアニア地域に属するキリバス、ツバル、ナウルといった国々は、国土の物理的要因もあって国際試合を行うグラウンドを確保することも難しく、加盟さえしていない。

最新のFIFAランキングにおいて連盟内の最高位にいるのは、もちろんオーストラリアであるが、それでも58位。地理的な事情から強豪国との対戦が少ないことに加え、欧州をベースにする選手たちが、弱小国との対戦に地球の真裏まで移動することを拒否する場合も多く、ベストメンバーを組める試合さえ稀な状態にある。

オーストラリアがそうした理由ゆえの順位だとはしても、それに続くニュージーランドは98位。W杯予選で奇跡的な決勝進出を果たしたソロモン諸島でも、130位に過ぎない。残るタヒチ、フィジー、バヌアツ、パプア・ニューギニア、サモア、トンガ、ニューカレドニア、クック諸島、米領サモアはいずれも120位以下。OFC加盟12ヶ国の平均ランキングを計算すると、実に150位となってしまう。

これでは、地域レベルからしてもW杯の出場枠を与えるのに及び腰となって当然。多過ぎると批判の出た4.5枠を抱えるアジアを見ても、日本の18位を筆頭にイラン、韓国、サウジアラビアと4ヶ国が32位以内に入っている。

W杯本大会出場国数に相当する順位までに入る国が一つもないのでは、割り当てを要求することも厚かましさを感じてしまう。今回のドイツ大会予選を例外とすれば、オセアニアではオーストラリアとニュージーランドの一騎打ちが延々と続くだけの状態であった。

2006年W杯ドイツ大会において、オセアニアに与えられた出場枠は0.5。昨年のオセアニア選手権が予選を兼ねて行われ、一次予選では10チームが2組に分かれてリーグ戦を行い、上位2チームが二次予選へ。そこにオーストラリアとニュージーランドが加わって、6チームによるリーグ戦を戦い、オーストラリアと伏兵ソロモン諸島が1位、2位に。

この2チームが今年再度ホーム&アウエーで激突し、南米5位のチームと戦うオセアニア代表を決定することになっている。

今予選を振り返っても、一次予選で消えたニューカレドニアがクック諸島とトンガに8-0で勝ったり、二次予選で最下位だったバヌアツが米領サモアを9-1で破るなど、大きな格差は浮き彫りにされた。

代表決定戦に進んだ2チーム以外でも大きな実力差が存在する地域において、W杯出場の夢を実現させることは、非常な困難を極める。

1993年はアルゼンチン、1997年はイラン、2001年にはウルグアイ。オーストラリアは近年の3大会において南米やアジアの壁を破れずに来たが、実力的に大きく劣る訳ではなかった。W杯予選での戦いぶりに加え、コンフェデレーションズ杯やWユースでも安定した結果を積み重ねており、ドイツ大会の割り振りが決まる前には、これらの実績からオセアニアに1枠を要求し、大方認められる方向性を勝ち得ていた。

しかしながら、日韓の躍進をたてに取ったアジアが、4枠以上の確保を要求。出場枠を減らされる可能性の出てきた南米が強硬に反対したこともあって、オセアニア単独での出場権確保はならなかった。

しかも割り当てられた0.5枠は、希望する北中米・カリブ海ではなく、再び南米との争いに。こうした経緯も、オーストラリアにアジアへ足を向かせる要因となったのであろう。

オセアニアからW杯予選にエントリーしたのは、1966年のイングランド大会予選から。この時はオーストラリアが本大会でベスト8にも入った北朝鮮に敗れ、1970年のメキシコ大会予選では、ニュージーランドも参加。日本や韓国と同組となったオーストラリアが最終予選まで進んだが、出場権をつかんだのはイスラエルだった。

そして、オセアニア初のW杯出場は、1974年の西ドイツ大会。アジアの中で戦ったオーストラリアが、韓国やイスエラルを振り切って悲願を成就させた。

その後、1982年のスペイン大会ではニュージーランドが中国に競り勝ち、オセアニア勢の強さを見せたものの、本大会では双方とも勝利を挙げるには至らず。世界との差を痛感することとなった。

更に、1986年のメキシコ大会予選からは、オセアニアとアジアが完全に切り離されての予選となるが、ライバルとなったのは政治的な軋轢からアジアで戦うことが出来ない台湾とイスラエル。紛争の火種を抱える両国が、オセアニアで貴重なプレーオフへの枠を争った。

しかしながら、いくら五輪で4位となったり、コンフェデレーションズ杯で準優勝という結果を残しても、ニュージーランドやオーストラリアではサッカー自体が人気のあるスポーツではないのが現況。

圧倒的な人気を誇るのは、常にオージー・フットボールやラグビー。プレミアリーグのクラブが競ってアカデミーを創設し、金の卵を探しても、肝心のトップクラブはチームの維持さえも苦しい状態にあった。

オーストラリアでは、チームの撤退によってリーグ戦が奇数で運営されることも珍しいことではなく、安定的かつ継続的な強化の地盤さえ固まらない情勢。

このため、オーストラリアではクラブを全て再編させ、韓国の現代をスポンサーにした「Aリーグ」を今年の夏からスタートさせると決定。

リトバルスキーが監督を務めるシドニーFCや強豪チームを引き継いだメルボルン・ヴィクトリー、アデレード・ユナイテッドの他に、オークランドを拠点とするニュージーランド・ナイツもここに加わる。

オーストラリアとニュージーランドにまたがる広域リーグ。参加チーム数こそ8つと少ないが、本気で強化するためには密度の濃い構成にしなければならないとの思惑が、両国の間で一致したのは確か。

特にニュージランドの危機感は強く、代表選手でさえ大学生やアマチュアチームでプレーしている選手が少なくない現状では層が決定的に薄い。

100人近い選手が欧州でプレーする隣国と比べ、ニュージーランドではオランダのローダJCに所属するMFイバン・ビセリッチくらいなもの。LAギャラクシー(MFサイモン・エリオット)やコロンバスクルー(DFダンカン・オートン)といったMLSでプレーする選手もいるが、チーム内における地位を鑑みても、クレイグ・ムーアやスタン・ラザリディスのような実績を築き上げた選手はいない。国内の有望な選手たちが、オーストラリアのリーグで揉まれる効果を期待するのも当然。

オーストラリアと共同歩調を取ることで生き残りを図るニュージーランドに、アジアでのプレーを望むオーストラリア。オセアニアの両巨頭であっても、サッカーの普及と発展が思うように行かない中、太平洋に浮かぶ小さな島国は、オセアニアという地域性や独立性に拘ることもないだろう。

AFCがOFCを吸収合併し、AFC内部におけるオセアニア地区としての位置づけを残す形も模索されるはず。

中東、南アジア、中央アジア、東南アジア、東アジア、オセアニア。ユーラシア大陸からオーストラリア大陸までを網羅することになるAFCは、段階的に小さな地域連盟をまとめる存在としての役割も増やして行く可能性が高い。

そして、2010年のW杯南アフリカ大会予選では、アジアが単独で5枠を持ち、日本、韓国、中国、オーストラリア、サウジアラビア、イラン、イラク、クウェート、UAEなどの国々が争うことになるのではないか。

著者:らいてぃー 

 
 
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