■Mail Magazine■

フットボール・コラム

柏レイソル
ニュース・コラム

Reading Top

HOME

2000/03/24掲載
ジャパン・ユース・カップ2001(日本vsチリ)    
 
昨年11月のアジアユースを突破、国内には8月のSBS杯以来の登場となったU20日本代表。今回のジャパン・ユース・カップは、既に6月のワールドユース(アルゼンチン)出場を決めているチリ、ウクライナの2カ国に加え、予選突破が確実視されているメキシコを迎えた。 トーナメント方式のため、全チームと対戦出来ないのは残念だが、本大会に向け実力を測るには絶好の機会といえるだろう。

緒戦の相手チリは、南米予選でブラジル、アルゼンチン、パラグアイに続いて、4位でワールドユースの出場権を獲得。来日直後にヴェルディ・ユースと練習試合を組むなどして調整を図っていた。 布陣は、中盤をひし形にしたオーソドックスな4−4−2。

一方の日本は、前田のワントップに2列目を2枚配した3−4−2−1というこれまでの形を踏襲した布陣でのスタート。まずペースをつかんだのは、チリ。ツートップのサルガドとカセレスにトップ下のバルデスを加えた3人が交互に裏へ抜け出す動きで、日本DFを撹乱。

11分、中澤が外に引っ張られ、羽田との距離が開く。 そこでボールを持ったバルデスをチェックしに羽田が前に詰めると、すかさずその裏を狙われてボールを通される。 走り込んだサルガドが、これを正面から易々と決めてチリが先制する。この後、中澤は空振りでカウンターからあわやGKと1対1という場面を作るなど、芳しい出来ではなかった。

20分には、DF4人が固まったところを、バルデスがカセレスとのワンツーで密集をかいくぐり、GKまでもをかわして2−0とリードを広げる。 日本は、前田と山瀬のコンビネーションから幾度かチャンスをつかむが、クロバーに嫌われるなどして得点には至らない。 36分、存在感の薄かった平島に代えて大久保を投入。石川を右サイドに回して大久保を2列目にすると、前でキープできる時間が増え、流れが変わり始める。

0−2で折り返した後半は、中澤を下げ、田原を入れてツートップに変更。 2点のビハインドを追いかける日本。

後半58分、日本の左CK。メキシコGKがキャッチできずにこぼしたボールを羽田がシュート。 ゴールライン上で混戦となったところをを大久保が押し込み、1点を返す。

ようやくスタンドに活気が出て来ると、チームにも精気が戻る。 同時に時差ぼけが残るのか、チリの足が止まって来たため、日本の一方的な展開となる。 特に右アウトの石川は、縦に中にと、鋭いドリブルで幾度もチャンスを作る。大久保もキープ力と突破力を活かしてチリDF中央をかき回す。 石川の技巧に全くついていけないチリDFミジャールは、度重なるファウルでイエローカードを受けるなど、完全に主導権は日本のものとなっていた。

62分、駒野のクロスを走り込んだ田原がタイミングよく頭で合わせ、2−2の同点に追いつく。 その後も日本の攻勢は止まらず、75分。カウンターからCKを得るシュートを放った田原が、駒野の右CKをファーサイドでDF2人の後ろから割って入り、高い打点のヘッドでを突き刺し、ついに試合をひっくり返す。

80分には、チリのバルデスが壁の上を巻いて行く見事なFKを決めて3−3のタイスコアとなるが、チリの攻撃は単発で、波状攻撃を仕掛けるような力は既に残っていなかった。 そして87分、中央からペナルティエリア内まで一人で持ち込んだ大久保が、2度の切り返しで、DFを翻弄し折り返す。そこに待っていたのは、またも田原の頭。チリDFレアルと競いながらも確実にネットを揺らして、日本が再びリードを奪い返す。 当然のようにスタンドの興奮は最高潮に達した。

この試合、何と言っても大逆転劇の主役となったのは、ハットトリックの田原。 その決定力の高さには脱帽したが、まだ課題も多いことは確か。 オフ・ザ・ボールの状態では動きが少なく、ポストに入った時のプレーも、粘りのある前田と比べ、余りに淡白な印象。

また、前半で2失点のDF陣は、裏を取られた時に弱く、香港トーナメントでやられたパターンを繰り返した。また、攻撃時に3バックと中盤との距離が空き過ぎ、そのスペースをうまく使われてピンチを招く場面が多かったのも、修正しなければならないこと。 後半は4バックにしてペースをつかんだが、西村監督の頭ではあくまでオプションの形であるはず。

そして攻撃についてだが、石川や大久保のスピード、テクニックは非常に高水準にあり、大きな武器となっているが、使われるタイプの選手ばかりなのが気になる。 ナイジェリア大会の小野や小笠原、マレーシア大会時の中村や大野のような人を使うタイプの選手が見当たらないのが、このチームのネックか。 個人の能力でDFをこじ開けるタレントはいるだけに、スペースをうまく使えない時には、特にもどかしさが漂う。

今日の試合では、田原の決定力に助けられたが、チリは予選でブラジルに0−6と敗退しているように、南米の中では一段落ちるレベルであることも忘れてはならない。 前回に続いてのファイナリストとなることは、非常に難しいかもしれないが、パス回しのスピードなどを見る限り、ベスト8以上は狙える力はあるように感じる。 25日のメキシコ戦では、スペースの使い方の巧みな相手にどのような戦いを見せるか楽しみだ。

3月20日(金) 19:00 東京スタジアム
  U20日本 −3 U20チリ  
得点:  チリ − サルガド(11分)バルデス(20、80分)
  日本 − 大久保(58分)田原(62、75、87分)

 

日本
GK 藤ヶ谷
DF 中澤(田原)、羽田、今野
MF 平島(大久保)、森崎和、青木、駒野、山瀬(佐藤)、石川
FW 前田
   
チリ
GK ロボス
DF ベルガラ(レージェス)、ベリオス、カンポス、ドロゲット(フェルナンデス)
MF レアル、ビジャグラ、ミジャール、バルデス
FW サルガド、カセレス(ビジャヌエバ)

著者:らいてぃー


ご意見・ご要望がございましたら下記アドレスまでお寄せ下さい。
soccer_days@excite.co.jp