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2003/08/08掲載
ルーキーたちの活躍について
 
喜びと落胆が大きく交錯している今季の柏。悪い部分を挙げつらえばキリがないが、チームにとっての明るい材料は、何と言っても新人たちの活躍であろう。

怪我人などの要素があったとはいえ、5人の新卒選手のうち3人が既にトップデビューを果たしており、消化試合となったナビスコ杯最終戦では、4年目のGK清水にも初登場の機会が与えられた。

2年目の永田は、終盤に怪我をしたものの、レギュラーの座をがっちりとつかんでおり、近藤は右サイドバックでも十分に行けることを示した。
マルシオの重用により理不尽な不遇を囲った宇野沢も、終盤にはポジションを奪い返しており、チームの平均年齢は大幅に低化している。

また、相次ぐCB陣の怪我により、本来はVLである落合もDFとしての出場数を増やしている。

こうした若手の登用は、監督の好みであり、なおかつ今季のクラブがチームに課した課題でもあることは確か。代わりに、渡辺毅は14節までリーグ戦での先発機会を与えられず、加藤望に至っては、交代でわずか2試合に出場しただけに留まった。

チーム状況の苦しいときには、ベテランを冷遇する監督に対して大きな不信感も覚えるが、それ以上に若い選手たちは成長を見せているとも言えるだろう。

特に新人の3選手、矢野貴、谷澤、大谷については、予想を遥かに超える働きを見せてくれたといって良い。

まず、新シーズンのお披露目となるちばぎんカップでスタメンに入った大谷は、ユース出身ということで、スピードやフィジカル面での戸惑いも
少なかった様子。すでにサテライト・リーグでの経験もあったことから、試合の流れを見る目も確かであり、しっかりとチームの一員として組み込まれた中でのプレーを見せていた。初のトップチームでの試合にも関わらず、玉田のゴールをアシストしたように、自分の役割を的確につかむことが出来ていた。

Jリーグでは、開幕戦こそスタメンであったが、下平とリカルジーニョの復帰により、以後は出場機会を得られず。とはいえ、サイドバックもこなす柔軟性は、控えに入れておいて損はない存在である。ユースの先輩でもある明神を見習い、自分の生きる道を的確に追い求めて行って欲しい。

次に新人でありながら、2桁に乗せる10試合に出場。2ゴールを挙げた矢野貴について。2〜3月はユース代表合宿で長く不在だったのだが、Jリーグでは何と開幕スタメン。しかも、PKを誘ってシーズン初ゴールに貢献するという上々のデビューを飾った。

そして、4節では出場停止のマルシオに代わってワントップに入ると、驚異的な高さを活かしたヘッドが炸裂し、プロ入り初ゴール。チームの連勝に大きく貢献した。

まだまだ、ひょろっとした印象は拭えないが、競い合いを怖がることもなく、フィニッシュのポイントを空けて飛び込むというゴール・スコアラーらしいプレーも垣間見せる。身体の使い方は巧いとは言えないが、長身を利した懐の深いキープができるようになれば、ポスト役としても仕事量を増やしていけるはず。

ただ、何より忘れないでもらいたいのは、自らのポジションがゴールを要求されるということ。流れの中で多くの仕事をこなすことより、今はワガママなくらいにフィニッシュの意識を持ち続けてもらいたい。
流れてのチャンスメイクや勝負どころでの突破は、宇野沢や玉田に任せて、自身はワンタッチでゴールを挙げることを究極の仕事とするようにすれば、五輪への道も大きく開けて来るだろう。

仙台戦では試合終了間際に投入されて、唯一のチャンスを確実にモノにするなど、決定的な仕事をする力は十二分に備わっている。余計なことは考えず、ゴールへの光が見える場所だけを探して欲しい。

最後は、トップデビューを機に、ユース代表にも抜擢された谷澤。
先発こそないものの、リーグ戦6試合に交代出場し、横浜FM戦では嬉しい初ゴールも記録した。

とはいえ、市原戦ではわずか13分で2枚のカードをもらって退場し、唯一のスタメンであったナビスコ杯のFC東京戦では、何も出来ないままに90分を終えるなど苦い思い出もあった。

トップチームの中では、まだ得意のドリブルを十分に披露する機会もほとんどなく、周りとのコンビネーションを構築しなければならない立場にある。現行のフォーメーションの中では、2列目に入ることが多く、前線への飛び出しを期待されているようだが、スペースへのフリーランニングよりもボールに触わろうとして下がってきてしまう傾向が強い。

フィジカル面の弱さは、現段階では仕方ないかもしれないが、密集となりやすい中央ではなく、サイドから仕掛けることが自然とできるようになれば、その弱点も多少はカバーできるはず。

C大阪戦で垣間見せた柔らかなボールタッチと、変幻自在のドリブルは
強烈な印象を残しており、鹿島の本山がそうであったように、なるべくフリーでボールを持つ場面を多く作ってあげることが今の谷澤には必要だろう。

緻密な戦術眼を持つタイプではなく、天性のセンスをチームにどうやって還元するのかは本人だけでなく、周りの選手や監督も考えなければならない選手であるようだ。

技術的には、間違いなく新人たちの中でもトップの才能を持つ。
同年代が集まるユース代表では、早い溶け込みを見せたように自分の意志が反映されやすいチームでは、能力をうまく発揮出来るはず。
年上ばかりのチームメイトに臆せず自分の求めることを要求していくのは難しいだろうが、プロである以上、自らの特長を最大限に発揮する方策を常に考えながら日々取り組んで欲しいところ。

スピードに乗りながら、上体を揺らしてステップを踏める選手など簡単には現れるはずもない。監督も大いに期待しているであろうし、1年目だけは欠点を直すより、長所を伸ばすことに専心してもらいたい。

著者:らいてぃー 

 
 
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