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| 2004/1/19掲載 |
| 【山下芳輝、茂原岳人の獲得について】 |
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選手を出すばかりで、入って来る話がまるで聞こえて来なかった柏から、ようやく新加入の知らせが届いた。FW山下芳輝とMF茂原岳人。2人とも、2年連続して所属するクラブからレンタルに出されていた選手だが、柏はこの度、揃って完全移籍での獲得に踏み切った。
まず、福岡から獲得した山下は、福岡市出身の26歳。1977年11月21日生まれということで、明神や平山と同じ学年となる。巧みに裏を取り、素早いフィニッシュを持ち味とするアタッカーではあるが、決して多産なタイプとは言えず、誰かと組ませてこそ活きる選手。マルコスと1年を通してペアを組んだ2002年シーズンは、自身最高の年間10ゴールを記録しており、当初の好調さが買われてトルシエ監督からA代表にも招集されて、2キャップを獲得している。
また、2003年4月の韓国遠征でもジーコ監督の日本代表に選ばれており、その高い能力は多くの人が認めるところである。
父親の転勤により、少年時代の一時期を千葉で過ごした経験を持つ山下。とはいえ、選手としての主なキャリアは、ほとんどが再び福岡に戻ってからのもの。立香椎三中から東福岡高校に進み、東福岡の第一期黄金時代を築いている。冬の全国高校サッカー選手権大会にも、1年時から3年連続で出場。1年生と3年生のときには、準決勝まで駒を進め、国立でプレーした。現神戸のFW小島宏美と組んだ2トップは、非常に高い評価を受け、2人揃って大会優秀選手にも選ばれている。
1996年、アビスパ福岡に入団。その年のリーグ開幕戦(対磐田)で早速プロデビューを果たすと、1ヶ月後の京都戦では初ゴールも記録した。
プロ入り2年目で背番号も9番を与えられ、今後の福岡を担うエースとして大きな期待を集める存在であったことを示すように、各年代での代表歴も多く積み重ねて行く。1996年はアジア・ユースに出場し、ワールドユースの出場権を獲得。1997年にはワールドユース、マレーシア本大会に出場した。レギュラーの扱いではなかったものの、明神や大野らと共にチームのベスト8進出に貢献。翌年以降は、シドニー五輪を目指すU22代表にも呼ばれて、トルシエ監督の構想内に度々名を連ねるようになる。
だが、2000年には1stステージで途中で膝を負傷。これによりシーズンの大半を棒に振り、シドニーへの切符も手にすることはなかった。翌年は、初めてA代表候補ともなり、飛躍の年になるかと思われたが、所属する福岡のJ2降格が決まって移籍を志願。昇格したばかりの仙台に新天地を求めた。福岡時代の恩師、清水監督の下で息を吹き返した山下は、2002年の開幕当初から好調を持続。マルコスとの相性もあって、第2節から3試合連続ゴールを挙げると、再び日本代表に名を連ねるようになる。残念ながら、W杯メンバーに入ることはなかったが、この年はリーグ戦で全試合に出場し、過去最高の年間2桁得点を記録。
昇格1年目の仙台が、降格争いをせずにJ1に留まる原動力となった。
そして、2003年。仙台はエデーの帰国やマルコスの離脱といった要因が重なって歯車を狂わせて行くと、半年近くも勝利から見離されるという泥沼に陥り、結局J2へ戻ることとなる。これで経営状況やチーム構成の見直しを迫られたことから、仙台も福岡から期限延長して借りていた山下を引き留めておくことが出来なくなり、山下自身もJ1のチームでプレーを希望し、移籍先を探していた。
当初は磐田入りが有力と報じられていたが、より多くの出場機会を得ることで代表復帰を目指したいという意向から、柏を選択したと言われている。
昨季は、29試合で4得点。過去8シーズンで2桁の数字を挙げたのが、2002年の1年だけと、ゴールの実績では物足りない気もするが、常に下位にさまよっていたチームで挙げた数字であることを考えれば、それほど酷いものではないだろう。
これまで、柏からも印象的なゴールを幾つか挙げており、最も記憶に残るのは、恐らく1998年の2ndステージ、日立台でのVゴール。また、2000年の博多森でも鮮やかなゴールを決められたことを覚えている人も多いのではないか。更に、2-5と惨敗した2002年の仙台スタジアムでも、同点追いつかれて折り返した前半を引きずるような形で、強烈なシュートを決められている。
177センチ、74キロと非常にバランスの取れた身体。柔らかなポストワークと反転してからフィニッシュに持ち込むスピードには、定評がある。
但し、強烈なヘッドを持っている訳でもなく、点で合わせてゴールに飛び
込むよりは、外に流れてのチャンスメイクや裏に抜けてゴールへ向かう
意識が高い選手。裏へスルーパスを出せる選手が中盤にいない上、一人で持ち込むのが好きな玉田と組むことを考えると、噛み合うのかは疑問に感じてしまう。
むしろ、オールラウンダーで泥臭いプレーの出来る宇野沢と組ませて、交互に起点となる方が良いのかもしれないが、採用するシステムや選手の配置、戦術によっても、その辺りは大きく変わって来る。今は、池谷流のデッサンがある程度見えて来るまでは、静観する必要があるだろう。
次に、神戸から獲得した茂原岳人は、1981年10月6日生まれの22歳。
落合、清水と同期にあたり、まだアテネ五輪も目指せる年齢のMFである。
生まれは群馬県館林市。全日本少年サッカー大会での優勝経験も持つ群馬の名門、邑楽FC(館林八小)でサッカーを始め、館林市立多々良中を経て2歳年上の兄、直和(のち大宮)を追うように前橋育英高校へ入学。
高校選手権では2年、3年と連続してベスト4まで勝ち進み、全国にその名を轟かせた。前橋育英の同期には、広島へ行ったMF松下裕樹、一緒に神戸へ進んだGK岩丸史也といった精鋭たちが揃い、3年時には優勝候補にも挙げられていたが、優勝した市船にPK戦の末敗退。
その市船には、永井、中澤(2年)という今季からのチームメイトがいた。
2年生のときはセンターバックを務めていたが、3年ではボランチへ転向。独特のリズムを持つドリブルやノールックパスを武器に、トップ下も務めるほどに攻撃的なセンスを見せていた。
2000年に神戸へ入団すると、1stステージ第2節のガ大阪戦で早くもトップデビューを飾り、期待の大きさを伺わせる。すると、シーズン終盤にはスタメンに名を連ねるようになり、準決勝まで進んだ天皇杯では、全試合に出場して翌年への弾みをつけた。
しかし、翌2001年はリーグ戦での出場数こそわずかに増えたものの、ベンチに定着することさえままならず。経験を積むために、3年目となる2002年シーズンは、J2の川崎へ貸し出されることとなる。
川崎での初年度はシーズン当初こそ試合に出られない時期も続いたが、後半戦に入ってからはスタメンに定着。年30試合を経験し、川崎に必要不可決な存在となって行った。この結果を受けて2003年も川崎Fへ期限を延長して在籍。今度は、出場停止以外で1試合しか欠場することのないほどに存在感を高め、39試合のほとんどにフル出場を果たした。
中盤の底だけでなく、外のポジションやDFラインももこなす器用さを持つ一方、イエローカードの多さも目に付き、過去2年は、いずれもリーグ戦だけで9枚をもらっている。柏には少ない気性の荒い方タイプという点では良いのかもしれないが、サポーターにも突っかかった前歴があるだけに、そうした側面が先に出て来ないことを祈るしかないだろう。
柏の中盤は、明神が一枚は当確。ここにドゥドゥとリカルジーニョの2人が入ることになれば、残りは攻撃的な一枠か左アウトサイドだけとなる。右利きということから、右のアウトサイドで使う手もあるだろうが、縦に抜けるための技術やスピード、クロスの精度といった部分では不安が残る。
新シーズンのDFラインは、薩川が不在となるため、永田以外は横一線と見てよいだろう。近藤、渡辺に根引、中澤と頭数はいるのだが、誰もが決め手に欠けるため、茂原は最終ラインの方が出場機会を得やすいのかもしれない。
それでも、180センチ71キロという堂々とした体躯に、J2の2年間で数多く積まれてきた経験値は、レギュラー争いに名乗りを挙げる上でも大きなアドバンテージとなるだろう。萩村のように、試合中にポジションを移せるユーティリティー性が高く買われることもあるだろうし、パスセンスや攻撃への意識という面では永田や萩村よりも高いポテンシャルを持っているとも言えよう。
世界大会の出場経験こそないが、1999年から2001年にかけては、ユース代表や五輪代表候補にも選出されている。同年代の選手たちと比べても、その能力は決して低いものではない。かつての薩川がそうだったように、大人しい選手ばかりが揃う柏に、異質な風を送り込んで、良い化学反応を起こしてくれることを期待したい。
=== 移籍状況 ===
< IN >
FW 山下芳輝(仙台福岡)
MF ゼ・ホベルト(ビトーリア/ブラジル)
MF ドゥドゥ(ビトーリア/ブラジル)公式発表はまだ
MF 茂原岳人(川崎:元所属神戸)
MF 広庭輝(柏日体)
DF 小林祐三(静岡学園)
GK ピント(大分)
< OUT >
DF 萩村滋則(京都)公式発表はまだ
MF 渡辺光輝(ガ大阪)
GK 佐藤大(引退?)
MF 大野敏隆(名古屋)
FW 北嶋秀朗(清水)
MF 酒井直樹(引退、柏Jrユースコーチ)
MF 砂川誠(札幌/レンタル期限延長)
< OB動向 >
町田忠道(京都→川崎)
菅原太郎(神戸→鳥栖)
沢田謙太郎(引退、広島下部組織コーチ)
杉山新(甲府、戦力外通告)
東海林毅(札幌フィジカルコーチ就任)
柱谷幸一(山形監督退任)
フリスト・ストイチコフ(シカゴ・ファイア退団、引退→バルセロナ・フロント) |
著者:らいてぃー
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